プレゼンは「 導入 」が肝心。聞き手が「お!この話は面白そうだ」と思わえなくては、その後の説明を聞いてくれません。
プレゼンで聞き手の心をつかむには3つの基本と3つのコツがあります。3つの基本はズバリ、「エンターテイメント感」「話し方の緩急」「簡単な言葉への言い換え」です。
そして、プレゼンの導入に意識するべき3つのコツとは「ゴールを明示する」「親近感の湧く話題から話す」「問いを投げかける」ということ。
合計6つの大切なポイントについて、筆者の塾講師としての経験も踏まえて、聞き手の心をつかむプレゼンの導入方法について紹介します。
話のつかみに自信がない…という方にぜひ実践してほしい方法です。6つのポイントを意識して練習することで、聞き手の注目をグッと集められるプレゼンができるはずです。
この記事でわかること
- 聞きたくなるプレゼンにするために意識すること
- 聞き手に寄り添う話し方
もくじ
「聞きたくなるプレゼン」をするために、心掛けるべき基本の考え方は3つです。
- エンターテイメント感で、聞き手の好奇心を誘う
- 話し方に緩急をつける
- 初耳の言葉は「つまり」を使って何度でも補足する
エンターテイメント感で、聞き手の好奇心を誘う
聞き手は、真面目で堅苦しい話を、長い時間集中して聞くことが苦手です。そのため、「真面目感」や「つまらなさそう感」を出さないことが大事なんです。
あくまで、情報や企画内容を紹介するエンターテイメントだと考えて、聞き手の好奇心を刺激しましょう。
例えばテレビ番組の「世界一受けたい授業」は「授業」なのに、つい聞きたくなりますよね。あの要領とテンションで挑むことをオススメします。
会議室はスタジオで聞き手はひな壇芸能人みたいなものだと思って話す、ということを意識してみましょう。
自然と声色が明るくなって、聞き手の注目度を上げることができます。
話し方に緩急をつける
話す速度は、非常に大切です。プレゼンという「相手に物事を伝える行事」なら、なおさら話す速度は重要です。
実は、真面目な人ほど、早口になってしまう傾向があるんです。それは、プレゼンの練習量や失敗したくないという気持ちがあるからです。
プレゼンの練習をしていると、段々口が慣れてきて、滑らかに話せるようになります。
しかし、練習しすぎると早口で話せるようになるため、聞き手の理解が追いつかなくなる…という事態に。
また、真面目な方ほど、失敗したくないと気持ちで「淀みなくスラスラ話すのが善」と考えてしまいがちです。
ですが、聞き手はあなたの話を初めて聞く相手です。早口で話してしまうと、聞き手はすぐに置いていかれます。
相手が子供やお年寄りでなくても「ゆっくりめ」に話せる癖を、つけておきましょう。
また、話すスピードに緩急をつけることで、聞き手の注目を集めることができます。
重要な部分や、よく聞いて欲しい部分は「ゆっくりめ」に話すだけでも、伝わり方の精度が上がりますよ。
初耳の言葉は「つまり」を使って何度でも補足する
初耳の言葉は、記憶に残りにくいものです。例えば、違う業界の人にプレゼンをする際、自分達の業界用語はあまり使わないようにしますよね。
もしくは、業界用語の説明を付け加えるはずです。そんな時に便利な接続語が「つまり」。
聞き手が「何言ってるのかわからんぞ…」となっているとき、「つまり、」という言葉に敏感になっているんです。
なぜなら、「つまり」は理解できていなかったことを、要約してくれる接続語だからです。
しかし、一回言い換えただけでは不十分です。人はすぐに忘れてしまいます。何度も、くどいくらいに説明するのです。
自分達の業界用語が出てくるたびに「つまり、〇〇は〜」と何度も話すことで、聞き手に確実に伝わりますし、聞き手も業界用語を習得していきます。
聞き手が業界用語を習得してくれると、プレゼン後の議論がしやすくなり、一石二鳥なのです。
プレゼンにおける「基本の考え方」をクリアしたら、プレゼンの導入で実践したい3つのコツを確認していきましょう。
- ゴールをはっきりさせる
- 聞き手に身近な話題から話す
- 考えさせる問いを投げる
ゴールをはっきりさせる
どんなプレゼンにも、目的がありますよね。成果を伝える、企画の魅力を伝える、企業の成長具合を説明する…などです。
そして、プレゼンの目的に応じて、聞き手のゴールは変わってきます。企画の魅力を理解することがゴールかもしれませんし、企画の欠点を見つけることがゴールかもしれません。
どんなに面白いプレゼンをしても、聞き手がゴールをわかっていなければ、「面白かったなぁ、で、結局なんだっけ?」で終わってしまいます。
例えば、塾の授業であれば、授業が終わった後に「問題が解けそうだ!」と、思ってもらえれば大成功です。
つまり、プレゼンの導入で「聞き手のゴールはどこか」を明確にすることがポイントなんです。
あなたの企画の魅力を伝えたいのであれば、「この企画の魅力はこの3つです。今日はこれだけでも覚えていただきたい!」とゴールを明示することで、聞き手は安心してプレゼンを聞けるのです。
親近感の湧く話題から話す
聞き手が、プレゼンを聞いている際に、興味が失せるタイミングがあります。それは「自分と関係ない話題だなぁ」と思った瞬間です。
裏を返すと「聞いておいた方がいいかも…!」と最初に思わせれれば、聞き手の集中力がぐんと上がるんです。
塾講師時代の筆者の場合、初回の理科授業で、かならず「理科とは」の説明をします。
みんなの中には、理科が好きな子も、嫌いな子もいると思うけど、実は理科って「あたりまえ」を勉強しているだけなんだ。
(あたりまえ…?どういうことだろう?)
理科の「理」はことわりと読んで、「当然のこと」。「科」は「分類」という意味。
つまり、理科っていうのは、「あたりまえだよ」って分かったものを勉強する教科なんだ。
(そ、そうなんだ!)
しかーし!あたりまえの物事でも、名前を知らないと人に伝えられないよね?
だから、みんなは理科を勉強するんだ!
(なるほど…)
でも、あたりまえの事だから大丈夫。
すでに、一回は体験した事ばかりだから、経験と紐付けて覚えていこうね!
はーい!
まず、話の最初で「すでに知ってる事か!じゃあ難しくなさそう」と、親近感をもってもらうことが大切なんです。
「う〜ん…」と唸るような問いを投げる
聞き手が受動的になってしまうと、渾身のプレゼンが伝わらずに終わってしまいます。
プレゼンに能動的に参加してもらうには、「あたりまえすぎて考えたことなかった…」というような、「う〜ん」と唸るような問いを投げかけてみましょう!
これまた塾の授業の例ですが、一つ例を挙げてみます。筆者は、小学生に「昇華(気体⇆個体の変化を示す言葉)」を教えるときに、いつもドライアイスの話をします。
みんなはお母さんとスーパーに行ったときにドライアイスって見たことあるよね?
あるー!
ドライアイスって氷よりも便利な点があるんだけど、なんだと思う?
え、氷とドライアイスって違うの?!うーん、なんだろう…。
実はドライアイスってね、解けると気体になって飛んでいくから、捨てるのが楽なんだよ。
そうなんだ!今度スーパーで見てみようっと!
自分で考えて、答えに納得し、自分の生活に取り入れてみよう!という導線を作ってあげることで、他にも驚きの発見があるんじゃないか?と、知的好奇心をくすぐることができます。
これは大人でも同じなんです。ぜひ意識してプレゼンの構成を考えてみては、いかがでしょうか?
今回は、「【プレゼンの導入】聞き手の心をつかむための「基本の考え方」と3つのコツ」についてまとめました!
筆者は小学生向けの授業ばかりをしてきましたが、大人と違い子供は素直です。面白くなければ全く聞いていないし、成績も当然上がりません。
そんな試行錯誤の塾講師経験の中で感じた点を紹介しましたので、ぜひプレゼン作りの参考になれば幸いです。
【基本】エンタメ風を意識する
【基本】緩急をつける
【基本】聞き手の初耳語は「つまり」で何度も補足する
【導入】ゴールをはっきりさせる
【導入】親近感の湧く話題から始める
【導入】「う〜ん」と唸る問いを投げる
また、冒頭で聞き手をしっかり引き込むために、キャッチーなタイトルをつける方法もこちらで紹介しているので、読んでみてください♪
「超言葉術」から学ぶ、キャッチーな言葉を選ぶための「解釈」の練習